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インドネシアの火山対策に学ぶ、日本の火山対策

先日、報道番組の特集でインドネシアの火山対策が取り上げられていた。

インドネシアは、太平洋を囲むように火山が並ぶ環太平洋火山帯の西側に位置し、127もの活火山がある火山大国である。そのインドネシア最大の島、ジャワ島の東側にあるケルート山が2014年2月に噴火した。その規模は、2014年9月の御嶽山の噴火の500倍であった。しかし、死者は一人も出なかった。これを生み出したのは、インドネシアの優秀な火山対策でした。

ケルート山は、有人観察所があり、そこでは2人体制で24時間監視している。また、毎日パトロールし、実際に目や耳、鼻で火山の状態を観察している。その日々のデータは、国の機関である火山・地質災害防災センターに送られている。この組織では、研究と火山監視の両方の業務を一括で行われ、ここで働く研究員の多くは、日本で火山研究を学んだ人たちであった。このような組織が世界標準なのだそうです。

すなわち、日本には、外国人留学生が学びに来る程高度な知見があるにも関わらず、その実力を十分に活かしきれていません。それは、世界標準である研究と監視と防災を一括で行う組織がないからです。現在の日本では、監視は気象庁で行われ、研究は大学で、防災は地方自治体で行われるという縦割り行政になっています。実際に、御嶽山噴火に関しても、気象庁はその兆候を感知してはいたものの、そこには専門家がいなかったそうです。もし世界標準の組織があったら、 被害を未然に防げたかもしれません。

つまり、日本には高度な知見があったが、研究と監視と防災の一体型組織がなかったがために、御嶽山噴火に十分に対応することができなかった。そこで、早期にそうした組織を設立することが必要であると思います。せっかくこれだけ世界的にも注目される知見を我が国はもっているのですから、 活用しなければもったいないと思います。いつ起こるかわからない火山噴火というものに、国としてどう向き合っていくのかを今考える時であると思います